ビジネスマンから見た都立中学受験という世界

父親の受験関連、雑感

まずはじめに、
受験ダディ自身は中学受験の経験がございません。

2021年、父親として娘とともに挑戦した
都立中学合格という壁は
想像以上に険しいものでした。

それと同時に、
都立中の受検制度に起因した
子供たちに与える精神的ストレスは
相当なものだと感じました。

今回は一旦、
父親としての視点は置いておいて
一人のビジネスマンとして、
中学受験という世界を考察してみたいと思います。

少し長くなりますが、
最後の3つの項目(都立中学受検の問題点)からだけでも
ご覧いただけると幸いです。

都立中高一貫校のメリット

これはもう何といっても安い授業料でしょう。
公立中、都立高校に進学した際の金額とほぼ等しく
加えて公募で集まった先生方による質の高い授業内容
さらには険しい受検を乗り越えた同級生。

ビジネスの世界で考えると
都立中学を目指すことは自然なことでしょう。
応募倍率が6倍を超える理由も納得です。

都立中学以外の選択肢(競合)

都立中学が素晴らしいものと理解できたあとは
決断する前に、都立中学以外の選択肢を考えます。

  1. 地元の公立中学校
  2. 私立中高一貫校
  3. 上記以外の公立中学校

3については個別の事情がある場合だと思うので
選択肢として考えられるのは、1と2。
そもそも1より環境を良くしたいというのが
都立中を選択する理由ですから、
競合としては、2の私立中高一貫校。

私立中高一貫校との比較

都立中学と比べて私立中学の劣る点は、
やはり学費でしょう。
都立中学が3年間で約100万円に対して
私立は3倍の300万円が相場
とのことです。

しかし、学習環境は都立中学に比べて
見劣りするわけではなく
むしろ優れている点の方が多そうです。

都立中の次の選択肢

都立中学が残念な結果になった場合は
経済力があれば私立中、
なければ地元の公立中を選択する
ことが多そうですが
各家庭の事情で判断は異なるでしょう。

都立中学の評価方法

都立中学の入学試験は、
適性検査という方法で選抜されます。
法律により試験で選ぶことができないそうです。

適性検査の内容はざっくり以下になります。

  • 小学校で学ぶ範囲から逸脱しない
  • 教科を横断した問題が多い
  • 作文・記述などの定性的な問題が多い

さらに、小4から小6の報告書を
点数化したものとを加算
して合格者が決まります。

そして、適性検査はすべての
都立中高一貫校で同じ日に実施されます。
すなわち、一人の生徒は一校しか
受検することができません。

都立中学受検の問題点

ここからが本題です。

これまでつらつら書いてきた内容の
重要な部分をまとめると

  • 授業内容、学費の安さが魅力的
  • 応募倍率が非常に高い
  • 不合格時は私立か地元公立に進学
  • 選抜方法は作文・報告書など定性的
  • 一人一校しか受験できない

つまり、都立中を目指す子供たちは
挑戦機会が一度しかないにもかかわらず
選抜方法は不確実で不透明、
さらに競争率が高い目標に向かっている
といえます。

10歳前後の多感な時期の多くの時間と
引き換えに、そのような目標に向けて
たくさんの小学生ががんばっているわけです。

ビジネスマンの考える課題解決策

私、受験ダディ的都立中学受検の課題と
それぞれの解決策は以下になります。

1.定員を二つに分けて受検を2回実施する

適性検査の内容、出題範囲に対して
一度きりの挑戦機会では少なすぎます。
男女60人ずつ計120名の都立中学であれば、
60名ずつの2グループにわけて、
2種類の適性検査で2回受検を実施することで
運の要素を排除して生徒を選抜することができ、
さらに不確実性満載のワンチャンスに
挑戦するという小学生の精神的ストレスは
大幅に改善されるでしょう。

2.定性的な選考内容はきちんと情報公開する

報告書の内容や作文、記述式の問題は
点数化した結果は
きちんと情報公開するべきだと思う。

将来的に、都立中学人気がさらに過熱して
小学校教師の買収や採点者の不正などが
発生しないように、ガバナンスを維持できる
仕組みづくりが必要でしょう。

まとめ

受験ダディ的、都立中学受検の
課題解決はいかがでしたでしょうか。

当事者として真剣に取り組まなければ
このような世界が存在していたことも
知らないままだったのはお恥ずかしいかぎりです。

都立中高一貫校の本来の目的は、
将来、国や東京都を支える社会の宝(子供たち)に
より良い学びを得るチャンスを提供するものだとすれば、
制度疲労を起こす前に、
次のアクションを検討するべきではないでしょうか。

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