都立中受験の試験問題には、
論理的な思考力が問われる良質の問題が多いと感じています。
一言で論理的思考力といっても
解釈により範囲が広くなるので
具体的にどのような能力が必要なのかを
考えるため、都立中試験の出題意図と
過去問題をながめながら、
都立中受験の試験問題で何が問われるかを整理してみました。
問題文を正しく読み取ること
あたりまえのことですけど、
まずは問題文を正しく読み取ることが重要、
書出してみると意外と深い。
●「てにをは」を間違えない。
能動側と受動側がおかしくなると、文章の流れがまったく違った形になる。
5W1Hを理解しながら読み進めること。
●事実と意見を切り分ける。
現実世界でも事実と意見を切り分けられてない人の話を聞くのはしんどいですよね。
●グラフから得られる事実を読み取る。
余計な想像を働かせずまずは事実だけを読み取り、今後の傾向については文章と組み合わせて考えれば良くて、「戦場の霧」のような不確定要素をふまえた未来予測問題は答えを一つにできないため出題されにくいと思います。
問題の前提条件を把握して、
出題者の考えている意図やルールを
理解できる状態まで問題文をもみほぐす必要がある。
ゴールを設定する
読み取った情報から出題者が求める回答を把握して、最終的なゴールをイメージする。
対策案をすべて机上に上げる
自分が持っている知識や経験の中から、
ゴールへ近づくためのプロセスをすべて机上に上げてみる。
その中から優先度をつけて、試行する順番をイメージする。
試行錯誤を繰り返す
試行錯誤型の問題は、
一度でゴールまで辿り着くことは難しいので、
トライ&エラーを繰り返しながら
できるかぎり最短ルートでゴールを目指す。
その時に必要な力は、
- あたりをつける能力
- 正確にアクションする能力
- 得られた途中の結果から次のアクションを考察する能力
- 粘り強く試行錯誤を繰り返す能力
などでしょうか。
プロセスを説明すること
都立中の受験においては
解答プロセス、試行錯誤の理由や
前提条件を説明する問題があるところも非常に良い点。
自分の考えや解き方を説明するには、
文章を論理的に構成して
段階的に伝える必要があるが、
試行錯誤や失敗のプロセスまで
説明することはほとんどないので、
それほど高度な説明力を求められるわけではない。
正道パターンを簡潔に説明できれば充分。
自分の解き方よりも出題者の意図を
理解できれば、それを文章で表現するだけで形になる。
都立中受験で求められる論理的思考力のまとめ
もう少し時間をかけて考えれば
より規則正しく正規化できるように思います。
それぞれの問題において、
論理的に優先度をつけて
論理的なプロセスで早く答えを導くことで、
それぞれの適性検査の得点を最大化させるのが
都立中試験を攻略する鍵だと思います。
また、論理的思考力を鍛えるには、
ロジックツリーや3C、4P、MECEなど
先人が考えたフレームワークにならえば、
大人ならそれなりに理解できると思いますが、
社会経験の少ない小学生は、
そのような概念からではなく
多くの問題を解くことの方が理解しやすいと思う。
それ以外では、
実生活で直面した課題があったときに、
論理的思考をふまえた解決方法を
一緒に考えることが一番効果的な学びだと思います。
各国のコロナ対策とかオリンピックの対処、
自然災害から学ぶ準備の大切さなどは、
答えのない問題をどう考えて行動に移すか
という点で、受験に向けた親子の会話として、とても役立ちますよね。
そのとき、子供たちに大切にさせていることは
「自分ならどうする」という視点。
当然ながら、背景を深く理解できる
年齢ではありませんが、子供の純粋な視点で
「できない理由ではなく、できる方法を考える」
ということを話していると、
少しずつ感情的な意見や扇動的な情報だけに
流されなくなりつつあると感じていて、
子供の吸収力ってすごいな、と感心してます。
話が逸れてしまいましたが、
都立中の試験問題からはこのような
論理的思考力のある生徒を評価したいという
意図が感じられたため、
長女が都立中を目指すことに賛成しました。
逆にいうと、
暗記型の問題中心だったら反対していたかもしれません。
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